2019年8月、筆製造の晃祐堂本社工場(広島県熊野町)へ、弊社代表の池澤が伺いました。
総務部長の重川泰司さんに工場内を案内していただき、会社の歴史や人気商品の誕生秘話なども教えていただきました。
晃祐堂は1978年に創業。筆先がハートの型になった化粧筆「ハートブラシシリーズ」が有名です。また「ディズニー」「くまモン」など、人気キャラクターとのコラボレーション商品や、JA広島果実連(竹原市)と組んで、広島県産レモンを香料に使った化粧筆を開発するなど、枠に囚われない自由な発想のヒット商品を次々と発表。現在、化粧筆関連商品だけで500アイテムを展開されています。
ハート型の洗顔ブラシが大ヒット
実は晃祐堂には、社内に2人の伝統工芸士が在籍。蓄積された技術を基に新たな創造に挑戦されています。「化粧筆に参入したのは2004年と最後発なため、他社とは異なる商品で勝負しなければと商品開発は試行錯誤を重ねました。そして完成させたのがハートの洗顔ブラシです」と重川さん。
研究の結果、毛先を「お尻」のような形状にすることで、キメ細かい泡を簡単に作ることができ、凹み部分が小鼻の脇の汚れを絡み取る究極のブラシが誕生。「女性の心をワクワクさせる商品にしよう」という会長の発想で、先端部分をピンク色に染め、ハート型のブラシとして発売したところ大ヒットしたのだそうです。
その後、チーク・持ち運び用など、シリーズとして展開。自分用としてはもちろん、結婚式の引き出物や、祝い事のプレゼントとしても喜ばれる逸品として、多くのユーザーに愛され続けています。
また、近年では海外の顧客も多く、動物の毛を宗教的に使用できない国の人や、アレルギーの人向けに、トウモロコシを使った植物由来の新素材を使用した「ロハスシリーズ」の化粧筆も展開されています。
工房では見学や体験も可能
ハートブラシシリーズのヒットを受け、2014年には「晃祐堂化粧筆工房」を同町内に新設。多い時で1日に3000本の化粧筆を国内外に出荷されています。化粧筆に注力した結果、5年間で売り上げは1.5倍に伸び、現在も右肩上がりなのだそうです。
晃祐堂化粧筆工房は、見学(予約制・所要時間約30分)や、名前入りのバラのブラシ作り体験(予約制・3000円)もでき、人気の観光スポットにもなっています。
同工場では、品質向上のために、検品作業には人と時間を割くなどし、特に注力されています。製品が完成するまでに3度もの検品作業を行い、最終チェックではさらにそこから2割を取り除くとのこと。実は、この段階でNGになった商品は工場限定のアウトレット商品として販売されています。アウトレットといっても、持ち手の部分にほんの少し傷が入っているなど、使用感には影響のないものばかり。訪れる際にはぜひチェックしてみてくださいね。
NY発の新商品が誕生も?
後日、東京で晃祐堂取締役社長・土屋武美さんと池澤がミーティングをしました。
「化粧筆だからといって美容関連に留まらず、国内外のさまざまなメーカーや企業とのコラボレーションを実現させたい。結果、多くの女性が化粧筆に興味を持ってくれたら嬉しい」とのこと。土屋さまから直接、会社の方針などを伺うことができました。斬新な発想で道を切り開かれてきた晃祐堂様とアメリカで新たなプロジェクトに取り組む日が近いかもしれません。新たな展開等は、随時こちらのページでアップして参りますのでお楽しみに!
RESOBOXはニューヨークでバラエティーに富んだ文化事業と、幅広い企業を対象にした海外進出支援サービスを提供しております。アメリカでの事業展開やマーケティングリサーチはもちろんのこと、展示会開催やインバウンド対策などのご相談も承ります。まずはメールにてご一報ください。→https://resocreate.com/contact/
●晃祐堂のHP http://www.koyudo.co.jp/