1900年創業の畳店の老舗・織田畳店様(奈良県田原本町)の海外進出サポートを進めています。今回報告させていただくのは、ニューヨーク市内の小売店で、商品についての声を集めたマーケティングリサーチの途中経過です。
織田畳店様が海外展開を進められている商材は畳を使った小物ブランド「織田たたみ®︎」。高級感のある財布や名刺入れ、携帯ケースなどです。メイン商品のラウンド財布は、2016年度の「グッドデザイン賞」を受賞するなど、職人技や商品コンセプトは国内でも高い評価を受けています。
「バーニーズ」「MoMA」などNYCの超有名店バイヤーの声を収集
今回は「 Round Wallet a series of “Aoi“」($300)や「Round Card Case a series of “Aoi”」($200)についてのリサーチを致しました。商材の価格に合わせ、高級な商品を取り扱う店を中心に実施。有名店では、日本にも数店舗を構える百貨店「バーニーズ ニューヨーク」、米国で36店舗を展開する百貨店「ブルーミングデールズ」など。また、「MoMA(ニューヨーク近代美術館)」や「メトロポリタン美術館」「自然史博物館」など、誰もが知る有名美術館のギフトショップです。
調査項目は①この商品のどこが好きか②欠点は③値段は適正か④御社店舗で商品として扱いたいか⑤類似品を知っているか…など。「はい」「いいえ」の二択で答えてもらうのではなく、それぞれの設問についての意見を述べて頂きました。
「畳」商品の米国人へ向けたPR方法探る 第一歩
結果の一部をご紹介する前に、大前提としてお伝えしておきたいのが、畳に対する米国人の認知度は低く、「香りに癒やされる」「消臭効果がある」といった、機能性の理解を求めるのは、かなりハードルが高いということ。日本人のように「心が落ち着く」「高級品」という概念ももちろんないため、高価な理由などを説明する必要もあります。どんなキャッチコピーで勝負をするのか、どこで販売するのか…などといった戦略を立てるため、マーケティングリサーチはとても重要です。
価格や商品に対するリアルな意見
さて、リサーチで得られた内容を一部紹介いたします。
織田たたみ®︎ブランドの商品は、メインの畳以外に、ファスナーチャームは鋳物工場で作った真鍮を採用、中布には京都西陣織の帯の布地を使用するなど、日本の職人技が多数盛り込まれた商品のため高価です。
価格設定について寄せられた意見は、「少し高いと感じる」「同じ価格なら、革製のブランド品を購入する」など厳しいものもありました。一方で、高級なデザイン雑貨を多数扱う店では「適正であり、もっと高い値段でも売ることができる」といった声もあり、伝統工芸品などに対する知識を持つ人には、こだわりや品質の良さが伝わることが分かりました。
また、「made in japanという印字をもっと分かりやすく表記し、日本産で高品質なことをPRすべき」「個人的には好きだが、ジッパーの付いた財布は米国では一般的ではないと思う」「女性的なデザイン。女性しか使わないのでは?」など、米国人ならではの声も多数寄せられています。
アメリカ人男性は多くの場合、マネークリップなどよりシンプルなものを持ち運ぶ傾向が強いようです。日本人の私としては、ラウンド財布はしっかりと頑丈で男性的な印象を受けますが…みなさんどのように感じられますか?
継続してリサーチし戦略を練る
現在24の店や施設で調査を実施しております。「MoMA」のショップでは、マネージャーに接触し、バイヤーにもアプローチしております。
RESOBOXでは、さらに現地でのリサーチを重ね、畳の文化が全くない米国で、どのようにブランディングし、展開すべきかをまとめて参ります。さらに、これらの海外消費者の率直な意見を基に、新商品の開発もご提案できたら、より海外展開が前進するのでは?と心弾ませております。今後の展開についてもこちらのページで報告しますので、楽しみにしていてください。
RESOBOXでは、自社製品を世界へ広げたい企業様の米国進出をサポートしております。NYに拠点を置き、これまでに100以上のイベントや展覧会を成功させた弊社ならではの手法を駆使し、御社の商材を、米国で浸透させるための長期的なお手伝いが可能です。まずは、気軽に問い合わせください。https://resocreate.com/con